ボートレーサー養成所でのリアルな生活：覚悟と試練の1年間

2024年11月6日2024年12月14日

ボートレーサー養成所とは？

ボートレーサーを目指すためには、日本モーターボート競走会が運営する「ボートレーサー養成所」に入所し、厳しい訓練を経て卒業する必要があります。ボートレーサーの養成所では、1年間の集中訓練が行われ、心身共に強くなければ卒業することは難しいとされています。ボートレーサーとしての技術だけでなく、精神的なタフさも養うため、特に初期の数ヶ月は多くの訓練生にとって非常に厳しい期間となります。

ボートレーサー養成所での1日の流れ

養成所での生活は規律が厳しく、日々の生活もきちんと管理されています。基本的な1日のスケジュールは以下のようになっています。

朝礼：早朝に全員が集合し、朝礼が行われます。ここでは、その日の訓練スケジュールや連絡事項が伝えられ、訓練への心構えを整えます。
午前の訓練：午前中は基本的な技術訓練や学科授業が行われます。操作技術や整備知識、そしてレース理論について学ぶことが多く、特にレースの基本姿勢やターン技術などは重要な訓練内容です。
昼食と休憩：昼食後はしばしの休憩時間ですが、午後の訓練に備えて準備をする訓練生も多いです。
午後の訓練：午後は実際の操縦訓練や体力トレーニングが行われます。ボートの操縦だけでなく、スタートタイミングや旋回技術、レースでの駆け引きなどを磨くことが求められます。
夕礼と清掃：訓練終了後は夕礼があり、1日の総括や注意事項の確認が行われます。その後、養成所内の清掃が義務付けられ、生活空間を維持するための責任が求められます。

このような厳格なスケジュールの中で、ボートレーサーとして必要なスキルと心構えを身につけていきます。

技術と知識の習得：操縦、整備、学科

ボートレーサー養成所では、操縦技術、整備技術、そして学科の3つが柱となります。操縦訓練では、スタートやターンの技術を徹底的に鍛え、レースでの俊敏かつ正確な動きが求められます。一方、整備訓練ではエンジンやプロペラの知識を身につけ、ボートの調整や整備の基本を学びます。学科授業では、競技規則やレース理論を学び、安全にレースを行うための知識を深めます。

これらの授業は、一度覚えたら終わりではなく、反復練習と理解が求められるため、毎日が学びの連続です。特に、初めて学ぶことが多い訓練生にとっては非常に大変な内容で、体力と気力が試されます。

厳しい生活規律と罰則

養成所では、厳しい規律が設けられており、日常生活においても非常に細かいルールが存在します。たとえば、制服や布団の畳み方、シーツの整え方に至るまで指導が入り、違反が見つかれば罰則が科されます。また、食堂での食事の量やマナーもチェックされ、規律違反があれば反省を促されます。このように、日常生活から徹底して指導が行われるのも、プロとしての自覚を育むための訓練の一環です。

ある訓練生は、「罰則が多く、何に対して罰を受けたのかわからないこともあるが、これもレースの厳しさに備えるためだと理解している」と語っています。こうした細かな指導は、将来ボートレーサーとしての責任感と自己管理能力を鍛えるためのものです。